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2009年04月06日

無期

前回に引き続き犯罪心理学の出口です。

刑務所・拘置所・少年院・少年鑑別所などを総称して矯正施設といいますが、こうしたところに勤務すると、住まい(官舎)が役所のすぐそば(敷地内)に与えられます。職住接近もいいところで、通勤は徒歩1分~3分といったところです。そんな生活に慣れてしまうと、東京に戻った時に電車通勤をするのがめちゃくちゃ苦痛になります。霞が関にある法務本省や研究所に勤務しなさいと言われると、ぞっとしたのを今でも覚えています。

私には双子の娘がいるのですが、彼女たちもこうした矯正施設の官舎育ちです。拘置所の高い塀にボールをぶつけて遊んでいるのが日常的だったので、子供ながらにすっかり「犯罪慣れ」してしまいます。

ある日の我が家の会話。小学校2年生程度の会話です。

(娘)「パパ、今日ね、面会所のところにすごい車がいっぱいとまって、出迎えもたくさん来てたよ。警備隊がいっぱい出てた。誰が出所したんだろうね。」
(パパ)「だれだろうなー、でも知っていても守秘義務があるが言えないよ。差し入れ屋さんにでも聞いてみれば」
この中で、「面会所」・「出迎え」・「警備隊」・「出所」・「守秘義務」・「差し入れ屋さん」なんて言葉は普通の家庭で育ったお子さんは使わないし聞いても理解できない言葉です(笑)

さて、我が家は娘達が小学校3年生になる時に東京から高知に引っ越しました。東京には6年間生活し、それも拘置所の官舎でべったり生活した直後だったので、娘達も完全に矯正職員化していました(笑)

高知に転校して間もないある日、娘達が憤慨して学校から帰ってきました。
当日学校で国語の試験があったそうですが、その問題は「むき」を漢字に直しなさいというものだったそうです。
娘達は何の疑いもなく「無期」と書いてきました。そうしたらあっさりバツ!!
答えは「向き」だったそうです。
娘達は、それまで家や近所でしょっちゅう「無期懲役」という言葉を聞きなれていたので、何の疑いもなく「無期」と書いてしまったそうです(笑)
こんな時、「アリャリャー」と思いました。

そんなこんなで娘達は私の転勤に伴い小学校を4回転校しているのですが、申し訳ないなーと思いつつ、一方で全国各地にお友達ができるし、異なる文化や風俗にも触れるよい機会になったと思っています。

大学の講義の中ではこんな話もたくさんします。楽しみにしてください。

投稿者 出口保行 : 2009年04月06日 17:06